Sunday, August 28, 2011

冷たい日本人: 東電という組織は日本そのものなのかもしれない

ドイツのTV局ZDF「フロンタール21」シリーズが 8/26 放送したDie Folgen von Fukushimaという番組を親切な方が日本語字幕つきでアップしてくれています。


番組に登場する大沢さんは原発から80キロ離れた農家の主。自分の育てた作物、自分の畑の土の汚染を調べるののも自腹です。大沢さん宅では9日間でドイツの原発労働者の一年間の被爆制限値を超えるほどの放射線が検出されています。しかしながら、大沢さんが自分の被爆状況を知りたいと思っても、福島県内では受け付けてもらえず、友人が隣の県の施設に問い合わせると、福島知事から福島県人の調査を引き受けないように頼まれたと。県は否定しているようですが、原発事故後の政府・公の機関の対応のパターンに当てはまっています。さっと例をあげるだけでも:

* 3月の原発事故発生後に、日本気象学会が学会員に対して、風による放射性物質の飛散状況の分析をしたり公表しないように「依頼」したこと。

*大手メディアが総出で、3月15日頃から東日本を脱出し始めた外国人らを揶揄、冷静で慌てない日本人賛美。

*食品汚染状況よりもなによりも「東北頑張ろうキャンぺーン」により、国民に福島や茨城の食物を食べさせようとした農林水産省。

*風評被害というわけもわからない理由をつけてネットを規制しようとした総務省。

*原発に関しての「誤情報」を正すためとの資源エネルギー庁によるTwitterやブログの監視強化。

政府や公的機関が人間の命を虫けらごとくに扱うだけでなく、日本国民の大多数も劣らず冷たい。

福島原発で発電された電力の恩恵を蒙っていた東京住民のいいかげんさも東電並み。

福島の学童らがあり得ないレベルの 空間線量地域にいても全く無関心。ところが、自分の食べてる牛肉が汚染されているかもしれないとなると大騒ぎ。これが東京・日本の一般の人の姿。どこかの田舎のこどもが5年後、10年後にガンになろうが自分には関係ない。

一般国民がこういう考えなのを知っているから、役所も政治家も知らん振り。お金のある人は自分の子供や孫には「安全な食材」を購入し、あとは知らぬ存ぜぬ。これでよくも日本人の美徳とか、和を尊ぶとかうそぶける。

東電という組織はもしかすると日本社会そのもの象徴かもしれない。

下記の映像は、オーストラリアのABCニュースより。放射能汚染された福島の小学校と父兄らの様子がわかります。日本中から見放されて校長先生も涙。