Monday, August 29, 2011

野田対小沢という構図の薄っぺらさ

8月29日に行われた民主党の代表選挙であるが、小沢グループが押した海江田氏が野田氏に敗れたことをして、内外メディアが小沢氏の影響力が衰退するしないを云々していることに強い違和感を覚える。

大体、今回立候補した5人のうち、誰一人として小沢氏が積極的に支持・推薦したわけではない。仙谷氏などが後見役の前原を阻止したい、と思ったとせよ、別に海江田でなければいけない、と意気込みがあったとはいえない。

裏読みすれば、小沢氏の作戦が功を奏して、前原総裁の芽を摘んだということではないか?大手メディアは菅首相が辞任を発表する前から前原氏の宣伝をしていたし、さながら野田・前原両氏しか有力候補がいないかのような報道だった。(偽メール事件以来、他にも失態こそあれ、政策的な貢献がない前原氏の人気を煽るメディアの真意は不可解。)

前原を封じる為に、候補者を乱立させ、野田と前原以外の候補を決選投票に持ち込ませる作戦ではなかったのか?だとしたら作戦は成功したといえる。

野田は勝ったとはいえ、最初の投票では海江田の143票を大きく下回る102票しか獲得していない。 しかも、菅元代表の残りの任期が切れる来年の9月には、また代表戦がある。野田としては、菅・仙谷のような露骨な小沢グループ排除はできないだろう。しかも、前原の人望のなさは、多くの民主党員に来年9月の代表選でも前原では難しいのではないか、と思わせたのではないか。


だとすると、小沢グループが失ったものはそんなに大きくないのではないか、とも読める。